行政書士試験独学勉強法

行政書士試験を独学で勉強し合格を達成。効率の良い勉強方法とコツ、過去問の解き方などを紹介。

判例を読めば文章理解、択一式問題、記述式問題の勉強になる一石三鳥

   

判例は同種事件の解決の道筋を示す 

 法律系の試験では必ず判例に関する問題が出題され、判例の勉強は避けては通れないものです。判例とは、ある争いがある人たちの裁判で裁判所が出した紛争解決の判断で、同種の紛争の解決方法の先例となるものをいいます。
 判例は紛争予防、紛争解決という役割を果たすものですから、もしあなたのところへある人が法律相談に来た場合、判例をもとにした返答ができれば説得力のある返答になると思います。
 ただし、同じような争いに見えても過去の判例とは射程を異にする場合があります。そのような場合は過去の判例がそのまま事件にあてはまらないので、判例の理解には十分注意しなければなりません。

 そうはいっても、行政書士試験の合格ということに限って言えば、判例の射程を神経質に気にしないで、判例の事案の概要と要旨を理解し覚えるだけで十分だと思います。

判例を読むことは、一般教養科目の文章理解の勉強になる

 判例を読むことに慣れていない人は、ひとつの判例を読むのにとても時間がかかると思います。昭和初期の判例なんかを読むと、「古文かよ!」「漢文かよ!」と突っ込みたいくらい読みづらくて仕方ありません。
 最近の判例でも読みにくさを感じます。判例は独特の言い回しを使用し、判例の書かれている構成がわかりずらいことに読みにくさの原因があると思います。

 言い回しについては、「~でないとはいえない。」というような二重否定がよくつかわれています。これは、主張・立証責任の関係でこういうような言い回しになってしまうと考えられます。当事者のどちらに主張・立証責任があるか理解できていればそれほど苦にはならないのですが、行政書士試験のレベルではそこまでの勉強は不要です。ですから読みずらい言い回しは落ち着いて読み、慣れるしかありません。
 判例を読み終わったときに、原告がどんな主張をし、被告が原告に対してどんな反論をしたか、そして裁判所は両者の主張に対してどんな理由でどんな判断を示したかを理解できていればもう言うことはありません。ただ、そこまでの理解を行政書士試験の勉強に求めることは負担が大きすぎるので、最低限の原告・被告の主張を意識しながら読み、裁判所の判断は覚えてください。これで十分です。

 判例を理解読み解くことは判例の勉強をすると同時に、一般教養科目の文章理解の勉強にもなります。判例を読み込むことで文章理解の力が付くのは間違いありませんので、判例の勉強は文章理解の勉強もしているということを忘れないでがんばりましょう。

 


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